今、高齢者と言われる60~70代の人たちが現役サラリーマンであった時代は、バブルによって地価や住宅価格が高騰していたため、都会での住宅購入をあきらめ、やむを得ず郊外の大規模団地や住宅地に一軒家やマンションを買い求めました。
しかし、郊外に開発された大規模団地は、交通の便が悪いため車は欠かせないものでしたが、高齢に伴い車の運転がままならなくなり、その上、近くのスーパーが次々と閉店したことにより、買い物難民となり、陸の孤島と化した団地での不自由な生活を余儀なくされております。
このため、バブルが弾け、高度成長が終わり、少子化によって都会でも土地や住宅価格が下がったことにより、高齢者が交通の便利が良く、生活しやすい都心に回帰するのは必然の現象でしょう。
都心部に近いほど、交通の便は良くなり、もより駅への所要時間は短くなりますが、その分、土地の価格は高くなります。つまり、交通利便性の高い立地を選ぶことは「時間を買う」とも言えます。
また、都心部に近いほど、商店、金融機関、医療機関など、生活の利便性も高くなりますから、この利便性も併せて買うことになるのです。
また、都心部は緑が少ないとよく言われますが、たしかに、町工場が混在して雑然とした雰囲気の準工業地域には、そのような地域は存在しますが、最近では、避難場所を兼ねた緑豊かな公園などが整備されるなど、見違えるように綺麗になっております。
また、懸念されるのは安心・安全でしょう。地方の小さな都市でも殺人などの凶悪犯罪が頻発している今日、田舎だから安心、都会だから危険とは一概に言えなくなっております。
むしろ、都会の方が、街灯が整備され、至る所に監視カメラが設置されており、防犯という面では、むしろ都会の方が整備されているのではないでしょうか。
ただ、介護の面を考えると、介護施設の整備が遅れている都市部よりも、福祉に力を入れている地方の方が優れているかもしれません。
高くても、交通や生活の利便性をとるか、安くて福祉が充実している田舎をとるか、悩ましいところですね。
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